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かずちゃんの話 13


4月23日に埼玉に戻って、悩んだけれど次にかずちゃんのところに行くのは
やはり5月3日の結婚式後ということにした。



今思うとこの期間がかずちゃんに大きく影響したのかもしれない…
でも、しょうがないか。


その間は少し遠くはあるけれども大阪に住むいとこが顔を出してくれていた。

そのいとこから一度電話があった。

かずちゃんは高齢者にはよくあるらしいけれどやっぱり背骨に圧迫骨折が
あったらしくコルセットを作った。

そのコルセットをつけて寝ていたら、苦しい!はずして!助けて!と
暴れだしたと病院から連絡があったそうだ。


かずちゃん、昔から身体を締め付けることキライだったからなぁ。
ブラジャーとかも。
しかし、暴れるってのはどうよ?
ハハから暴れるなんて言葉、到底むすびつかないから。



やっぱりこの間に、せん妄状態は始まっていた。


5月3日の結婚式を終えてわたしはそのまま実家に向かった。
今回は二男が一緒だった… 最後になるから大阪の町で遊ぶ!とか言ってついてきた。
内心、好きなだけこずかいやりたいくらい、嬉しかった。


次の日二男をまずかずちゃんのところへ連れて行ったら、
かずちゃんとっても喜んでくれて、すみれさんのところへも
行ってらっしゃいと。二男は小さい頃からスポーツで忙しかったので
すみれさんにも長く会ってなかった。


わたしはすみれさんところから再び病院に戻ったけれど、
その日かずちゃんに異変はなかった。


5月5日。兄家族もかずちゃんのところへ顔を見せた。
そして午後。かずちゃんと私2人になった。
かずちゃんの様子が変わった。明らかに顔が険しくなり、
フーフーと深呼吸始め、しんどい・・・ といい始めた。
そこからどんどん苦しそうになり、口にする言葉は意味不明
助けてだとか、なんとかして、そこを持ち上げてよとか…

看護師さんを呼んだら、熱だとか体温とかみてくれたけれど、
何の異常もない。そう、しんどい ってことだ。

今思ってもこの時の状態は激しかったと思う。
初めてだったし、何が起こってるのか誰も説明もしてくれなかった。


明らかに”おかしい”かずちゃんは私をみて
ハハが来てるのにしかられます!なんて言うのを聞いたら ポロポロ涙が出てきて。
そしたら看護師さんの手に取りすがってるかずちゃんがまた、

わたし、ハハを泣かせてしまいました!

私はもう堪えられなくて病室を飛び出した。


あまり家族を顧みなかった父だったけど、母は兄と私を連れていろんなところに出かけた。
私は割りと自由に生きてきたけれど、いつだって母がちょっとコワかった。
お母さん大好き!というのではないけれど、わたしには絶対必要な人だった。
そしていつだって、母はそこにいる人だった。

だけど、この言葉を聞いたとき、もう母はいないんだと思った。



一人の看護師さんが大丈夫ですか?と声をかけてくれたので、
わたしは一度家に帰らせてくださいと言って、実家に帰った。



帰ったところで何もない。誰もいない。
一人で泣き続けるのはイヤだし、ビールを飲みながらテレビを見た。



しばらくすると病院から電話があった。母が暴れていると…


病院に戻ってみるとかずちゃんは車椅子に乗せられナースステーションにいた。
私をみるなり、

わたし、なんにも悪いことしてないのに何でこんなことになるの?
なんにも悪いことしてないのよ。なのに何か私ヘンになってる…


大丈夫!!! おかあちゃんは頼れる娘を一人産んでるんやから!
ビール2缶でわたしはすっかり立ち直っている…



GWで人手が少ないので泊まってほしいと言われ、結局3泊した。


それからどれくらいの時間をかずちゃんのベッドの隣に座ってすごしただろう。







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by kissinheaven6002 | 2013-07-10 21:07 | ははのこと