赤い靴下


昨日の母は、随分と沈んでいる様子だった。
というのか、こういう状態の方が多いかな・・・・


三時のおやつも終わり、部屋のベッドでいつものように寝ていた。

こんにちは~、来たよ~

と挨拶して、閉め切ってちょっと暑い部屋の窓を開ける。
そういえば部屋のデジタル温度計。
ここのところずっと、Lo の表示で。
電池換えてないし。



母が、

誰?誰が来たの?

と顔も向けずに何度も聞く。


わたしだよ~

と何度も答えるけれど、

誰?名前言って!!!


と。
とりあえず、自分の名前を名乗ることほどコワイことは
今の所ないので・・・


ちゃんと自分で顔見て、確かめて~


↑ 自分で言っておきながら
うまいことかわしたなと、一人納得していたのでした。


最近の母の記憶は、私や兄とか昔の家族の部分がフォーカスされている気がする。




昨日は少し長めの靴下を二足買って行った。
いつも足首あたりが冷たいので。
引き出しの中にはハイソックスも入っているのだけれど
履かせてもらえていないし。


赤いのとグレーのと、二足。

靴下買ってきたよ、と赤い方を見せながらいうと
靴下が欲しかったという母。


引き出しに入れておくから、というと
名前書いてあるか?みたいなことを言うのでびっくり。


その後少ししてから、靴下は?ときくので
引き出しからグレーの方を取り出して、
ここにあるよって見せると、
それじゃない、って。

赤いのを見せると納得。
なので赤とグレー、二足買ってきたからと
もう一度見せると、それを手に取って大事そうに
抱え込んでしまった。


それが何だか物凄く切なくて。
明日の朝、靴下を二足握りしめたまま
母が旅立ってしまったらどうしよう…
一足たった300円の靴下が最後のプレゼントみたいになったら…
せめてもっと高い靴下にすればよかった。
300円のが3000円になったとしてもそれほど意味はないのだけれど
ふとそんなことを想ったりして。


母のユニットの他の入居者の方を見ると
多分みなさんご自分で服を選んで着ていらっしゃると思う。
女性の方は皆さん、重ね着してるから。
母だけ、ベストとか何も重ねてない。引き出しにはあるんだけれど。
施設の中は温度管理されているので、言ってみれば
それほど着るものに変化をつける必要もないし。


今、母に何か一つさせてあげられるとしたら
やっぱりショッピングだと思う。
ヨーカ堂とかしまむらとか山のように商品が並んでるところで。





実家を引き払った時に、
とある商社のファミリーセールの登録を私名義に切り替えた。
兄が実家で暮らしてた時、よく母と2人でそのファミリーセールに行ってた話を聞いていた。

そうめんやらかつお節からお兄ちゃんのネクタイ、ワイシャツまで
何でも買えるのよ

って母が言ってた。
その後わが家に送られてくる案内状はやっぱり大阪会場のものばかりで
やがてそれも来なくなり最近ではすっかり忘れていたのだけれど
それが突然先日、わが家の近くの会場の案内が届いた。


時間もあったし、私は初めてそのセール会場に行ってみた。
母の行ってたとおり、地方の名産からブランド服までなんでも売ってた。
長男の、縦には小さいけど横には大きいというやや特殊サイズのワイシャツも買えた。


懐かしくて、兄の家の近くでもあるようなので
そこの招待状を取り寄せて兄にも送ったら
兄も喜んでくれて早速出かけてみるらしい。



ホントは母にも、


イトチューのファミリーセールに行ってきたよ~

って言いたい。
握りしめてる靴下。今履き替えるというので
赤い方に履き替えた。



脱いだ靴下、もうすっかり薄くて伸びきってて
ゴミ箱に捨ててきた。















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by kissinheaven6002 | 2016-10-22 10:56 | ひとりごと。 | Comments(2)

Commented by まっち at 2016-10-23 10:51 x
靴下、気にいってもらえて良かったです。
明るい色のものを身に着けると気持ちも明るくなるかもしれない。
これは私達も同じかも(年齢的に)
Commented by kissinheaven6002 at 2016-10-25 08:54
> まっちさん

明るい色をと思っていても、
派手だと嫌がられたりで、なかなか難しいです。
それでも、何でもくすんでいてはダメですよねぇ。
あと、乾燥も大敵です!←何の話だ???